「CES2009」現地レポート№6/2009.1.10ラスヴェガス発

CES (Consumer Electronics Show) International 2009

ces2009-ロゴ

現地レポートNo6
[ 2009.1.10 ラスヴェガス発 ]

開催日 :2009/1/8~1/11
開催地 : アメリカ・ラスヴェガス

 

 

 

シャープブースで知った日米の嗜好の違い
派手な色再現が求められる
北米向けAQUOS

 

 他社のブースに比べてやや大人しい印象だったのがシャープ。特に目立つプロトタイプの発表もなく、北米向け新製品主体の展示展開は、地味というよりも現実路線というべきなのでしょう。
 目玉はブルーレイ内臓AQUOSと新型Eシリーズの2つです。

 

シャープの108V型超大画面液晶

△108V型超大画面液晶を主体にしたブース入り口。
シャープのアイデンティティをしっかり訴求していました。



 ブルーレイ内臓AQUOSは日本でも昨年秋に発売開始し、話題になりましたが、両者の大きな違いは北米モデルにはレコーディング機能のないプレイヤーを搭載していることです。「なぜ、録画できないの?」と素朴な疑問を感じました。以前、DVDでも北米での主力はプレイヤーであり、レコーダー主体の日本とは市場が大きく違う、ということを聞いたことがあるからです。

 米国人は録画しないのか、という素朴に疑問をぶつけてみることにしました。すると、「なるほど」という答えが返ってきたわけです。

 米国では、テレビ受信の主力がケーブルだということは、ご存知の方も多いと思います。7-8割の世帯普及率とのことです。で、ケーブル受信のためにはセットトップボックス(STB)が必要になりますが、実はほとんどのSTBがハードディスクレコーダーを内蔵しているのです。そのため、あとからわざわざレコーダーにお金を払う人はいない。故にプレイヤー主体のマーケットとなっているわけです。

 米国人は録画などという面倒なことはしないのだろう、という認識は、まったくの間違いでした。他にも米国と日本ではテレビ作りで根本的な違いがあるそうです。
 それは「絵作り」。いわゆる色味のサジ加減ですね。

 日本の場合、可能な限り自然な色再現を追求しています。素肌美という感じです。
 しかし、米国では各色をものすごくはっきりと際立たせる色再現が好まれるとのこと。いわゆる派手な色使いですね。たとえていえば、このラスヴェガスの街のような、ド派手な原色ネオンのギラギラ状態とでもいうのでしょうか。

 そして、その絵作りにさらに磨きをかけたのが新型Eシリーズです。32V型から65V型までを取り揃えた今年の主力モデルなのですが、そのすべてにシャープとして初めて、ディスプレイに「スパー・ルーセント・パネル」を採用しているのです。

 

 新製品Eシリーズ

△新製品Eシリーズ。
本体下部の色は北米向けならではのグラデーション仕上げ。
写真ではすすけた感じですが、現物はもっと繊細な仕上がりです。



 同パネルの特徴は光の透過率が高く、コントラストがアップしていること。要するに画面がテカテカした、派手な色再現ができるディスプレイなのです。

 このパネルは色味がはっきりするメリットがある反面、外光が写りこみやすいという課題もあります。日本人はこれを嫌う人が多く、これまでは主流ではありませんでした。
 しかし、シャープが北米の家電店などを調査した結果、「多少の写りこみは問題ない。それよりもはっきりとした色再現を」という要望が多かったことから、今回採用に踏み切ったそうです。

 こうした米国人の派手好きはデザインにも求められており、Eシリーズのフレームは光沢のあるピアノブラックで仕上げられています。このピアノブラックという仕上げは、日本でもAQUOSのRシリーズに採用されていますが、関係者の話では「あまり評価がよくなかった」とのこと。光沢感のメリットよりも、外光の写りこみがやはり敬遠されたようです。そこで2代目Rシリーズではピアノブラック以外にもう一色、落ち着いた仕上げのモデルが用意されたわけです。

 

フォトプレイヤーとつなげて、大画面の写真再生

△フォトプレイヤーとつなげて、大画面の写真再生を提案していました。

 

ブルーレイと組み合わせたホームシアター

△こちらはブルーレイと組み合わせたホームシアター提案です。
日本と違ってやはりBDプレイヤーなのでしょうか(聞くのを忘れました)。



 グローバルにビジネスを展開しているメーカーの、知られざる苦労といったところでしょうか。シャープのブースを取材して改めて、国民性の違いというものを実感させられました。ただ、基本的にアメリカ好きな日本人のこと。現状のこうした嗜好の違いは、今後ともずっと続いていくのでしょうか。非常に興味深いテーマだと思います。

 

しっかり省エネ

△省エネ性もしっかりPR。
ここがAQUOSのもう1つのアイデンティティというわけです。

 

北米向けの携帯電話端末

△ディスプレイの開き方が非常にカッコイイ北米向けの携帯電話端末。
こういうモデルは日本で発売しても売れると思うのですが。



 さて、ここまで6回にわたり現地レポートを届けてきましたが、どうやらタイムアップとなりました。今回の号でひとまず終了とさせていただきます。明日の早朝に、日本へ向けて飛び立ちます。本当はCES最終日までいたいのですが、なかなかそうもいきません。

 まだまだ書き足りない情報が山ほどあります。続きは2月20日発行の「シャニム」にて、しっかりとご報告しますので、ぜひご期待ください! 
 短い間でしたがここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。今後ともシャニムをよろしくお願いいたします。

2009.1.10 ラスヴェガスにて。
シャニム編集長 征矢野毅彦

 

 
CES 公式サイト http://cesweb.org/
CES 公式日本語サイト http://biz.knt.co.jp/pm/ces/

 

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