エアコン最新モデルへの入れ替えでコスト削減と二酸化炭素排出量の抑制
商品研究2 パッケージエアコン
最新モデルへの入れ替えで
オフィスのCO2を大幅カット
エアコンの性能は02年前後を堺に飛躍的に向上した。フロンガス禁止に伴う新冷媒採用やインバーター化率の向上(*1)などを背景に、とりわけ省エネ能力のアップは著しく業界平均で消費電力量が半減しているのだ。
消費電力量カットは電力コストの削減につながることはもちろん、オフィスや店舗が排出する二酸化炭素の抑制に直結することは周知の通り。
では、最新モデルにリプレイスすることで、どの程度の二酸化炭素を削減できるのだろうか。年間の二酸化炭素排出量は、1年間の総エネルギー使用量に「二酸化炭素排出係数」を乗じることで算出できる。
この排出係数は環境省によって定められており、基準(デフォルト)値はエネルギー使用量1kWh当たり0.000555t(*2)だ。
■図 最新モデルと10年前モデル(定速機)の期間消費電力比較
※日立アプライアンスの10年前定速機「RAS-J140HE」と
最新モデル省エネの達人「RAS-AP140HVM1」による比較値(同社カタログより)
図の数値を例に計算してみよう。10年前の定速機は、年間消費電力量が6720kWh。これに排出係数をかけると、二酸化炭素の年間総排出量は約3.7tである。一方、省エネ性能がアップした最新モデルはエネルギー使用量が3390kWhなので、同じように算出すると排出量は約1.7tと、その差は約2tである。
削減効果を具体的にイメージしやすいように、木の本数に換算すると約143本分の杉の木(*3)が年間に吸収する二酸化炭素と同量となるのだ。
コスト削減に加え、これだけの二酸化炭素を抑制できるとなれば環境保全への貢献度は大きい。
(*1)第15号「テクノロジーNOW」で詳述。弊誌サイトから参照可能
(*2)電力会社など一般電気事業者などは「電気事業者別排出係数」として、デフォルト値とは別係数が適用されるが、ここではデフォルト値を使って算出
(*3)高さが約20~30mの50年杉が年間約14kgの二酸化炭素を吸収するとの指標を利用した算出値
オフィスの快適性も向上
しかも、メーカー各社のエネルギー消費の効率化は、エアコンの快適性向上にもつながっている。これは、過度な冷暖房を排し、無駄な電力消費をカットしようとする取り組みによるものだ。
例えば、日立アプライアンスは場所によって冷暖房温度をコントロールする「ゾーニング」の考え方をベースに、店舗・オフィス用では業界で初めて個別運転を実現した。太陽光が差し込む窓際は冷房温度を低く、陽の当たらない場所は温度設定を高めにするといった無駄のない利用が可能だ。
東芝キャリアは独自開発のDCツインロータリー方式を採用し、コンプレッサーの低速から高速回転まで高い運転効率を実現。温度調整のための電源オン/オフ動作を抑制でき、余分な電力カットと温度ムラによる不快感を軽減している。
三菱はルームエアコンで好評の赤外線センサー「ムーブアイ」を業務用にも搭載。室内の温度ムラをセンサーで感知し、気流を自動制御することで快適性アップと共に消費電力量の削減を実現した(*4)。
また、既設配管や配線ケーブルの再利用などリニューアル性が向上したことで、工事期間の短縮や工事コストが削減。さらに、10年前の定速機から最新モデルに入れ替えた場合、ランニングコストの削減分でイニシャルコストを数年で回収できる。
工場などに比べ、一般オフィスや店舗の環境対策は遅れている。エアコンのリプレイスを本気で検討してはいかがだろか。
(*4)メーカー各社の省エネ技術については、第19号で詳述。弊誌サイトから参照可能
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