国内初!グリーン電力を導入 ヤマダ電機の循環型「地球温暖化対策」

緊急レポート
国内初!グリーン電力を導入
CO2排出量削減に本腰!
ヤマダ電機の「地球温暖化対策」

 

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シー・アイ・シーで再商品化された家電を販売する「再楽館」

 
3つの温暖化対策

  「CO2排出量削減は今や地球規模の大問題。国策としての取り組みが本格化しており、当社としても家電店の立場で何をすべきか、研究し続けている」
 こう語るのはヤマダ電機の山田昇社長だ。ヤマダ電機は昨年後半にCO2排出量削減につながる取り組みを相次いで発表した。「グリーン電力の導入」「使用済みインクカートリッジの回収」「省エネ家電普及促進ウィークへの参加」等々。いずれも家電小売業の立場から、ヤマダ電機グループ全体でアプローチした温暖化対策である。


 ヤマダ電機の施策を集約すると次の3つに大別できる。
 ①使用済み家電のリサイクル/リユース
 ②省エネ型家電製品の販売推奨
 ③グリーン電力の導入


 まず、①については家電リサイクル法に基づく家電小売業としての役割を果たすと共に、自社独自の取り組みも強化している。
 例えばパソコンだ。これは店頭でユーザーから買い取った中古パソコンを、子会社のインバースネットが再生するもの。


 データの完全消去後に、再商品化が可能なものは整備・清掃し中古品として再び店頭へ並べている(リユース)。そして、再商品化が不可能なものは解体し、部品や部材等にリサイクルしている。
 中でもCO2削減効果の高いリユースPCについては、07年度約21万台の再商品化を見込んでおり、液晶とCRTディスプレイを含めると年間で約3万t(注1)のCO2削減効果をもたらすことになる。


 一方、家電についても、買い取った冷蔵庫、洗濯機、テレビの3品は、リユースを積極化している。子会社のシー・アイ・シーを通じて再商品化するのだ。これは家電リサイクル法施行前から継続している。
 シー・アイ・シーでは買い取った家電をすべて検査し、再商品化できるものについては入念な、整備・清掃を行なった上で、ヤマダ電機グループのリサイクルショップ「再楽館」などへ出荷し販売している。そして再商品化できないものは、シー・アイ・シーが料金を負担した上で家電リサイクル法に基づく処理ルートに回している。

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入念な検査・整備・清掃

 

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 同社のリユースで特筆できる点は、検査・整備・清掃の入念さだ。検査については例えば、洗濯機は実際に洗濯をし、冷蔵庫は冷却機能などのテストを3日かけて行なうなど、全品で機能チェックをしている。
 また、PSEマーク(注2)のついていないものについては、電気用品安全法に基づく自主検査を行ない「シー・アイ・シーPSEマーク」を発行している。


 清掃については洗濯機の場合、トヨタと共同開発したジェット洗浄機を使い、有害物質の出ないアルカリイオン水を用いて洗濯槽を洗浄・殺菌。他の部品も徹底的に分解・洗浄している。しかも、配水ホースや糸くずネットなどはすべて新品に交換、「中古品としては考え得る最上の状態で再出荷している」(ヤマダ電機・一宮浩二副社長)。


 他にもインクカートリッジの回収では提携会社のジットが、再生カートリッジとして再び店頭へ出荷し、しかも、回収したカートリッジ1個につき10円をJANIC「NGOサポート募金」や「交通遺児育英基金」などへ寄付。温暖化対策と恵まれない子どもたちへの支援を両立させている。
 ヤマダ電機がリユース/リサイクルに積極的な背景には、山田社長が理想とする「家電の循環型ビジネスの実現」があるからだ。もともとは新品家電の仕入れ販売からスタートしたわけだが、その当時から「不要になった家電をただ引き取って処理業者に渡すだけでなく、必要とする人に再び供給したり、使える資源を有効活用するシステム作りを模索してきた」(山田社長)という。


 そのシステムが今、有効稼働し始め、温暖化対策となっているわけだが、これにはヤマダ電機ならではの自社物流網が大きな役割を担っている。同社の物流網は新品を店舗や顧客へ配送する動脈機能と、買い取った家電を再生工場へ集める静脈機能を併せ持っているのだ。このため、低コストで迅速な回収が実現できるわけである。






循環型ビジネスの構築

 ②の省エネ型家電の販売推奨は、家電店であるヤマダ電機にとって最重要策といえる。環境省の資料によれば、国内のCO2総排出量12億t以上(2000年度)のうち、その13.5%は一般家庭から排出されている(電力分配後・図2)。そのウエートは年々高まるばかりで、現状では削減傾向に転じる気配を見せていない。
 それだけに日々使う家電製品を省エネ型に変えるだけで、大きな削減効果が期待できる。これを実現すべくヤマダ電機は店頭で各商品の省エネ性能を分かりやすく表示・解説したり、省エネ家電の情報誌「省エネクラブ」を発行するなど、省エネ家電情報を発信し続けている。


 また、昨年末は省エネ家電普及促進フォーラムが主催したキャンペーン「省エネ家電普及促進ウィーク」(11月3日〜12月2日)に参加。期間中に全店で4万8479個の電球型蛍光灯を販売し(目標比108.8%)、一般家庭でのCO2排出量削減を後押しした。この実績は、CO2削減量の年換算値で1991tに相当する。
 消費者にCO2排出量削減を啓発する一方、自らの電力使用でも削減策に取り組んでいる。それが③のグリーン電力(注3)の導入だ。


 これは木質系バイオマス発電の大手サミットエナジー社の電力を、住友商事を通じて店舗用電力として購入するもので、国内初の取り組みである。電力供給量の制限などから、関東地区98店舗での先行スタートだが、これによるCO2排出量削減効果は約2000t、杉の木約15万本が吸収するCO2量に相当する。
 グリーン電力の導入は通常の電力よりも料金が高く、経営コスト面から考えれば得策とはいえないが、ヤマダ電機は順次、導入店舗を拡大する計画だ。これについて山田社長は次のように述べている。


  「お客様に省エネ家電を推奨しながら、自社が何もしないというわけにはいかない。家電小売業は、いろいろな意味でCO2排出量の多い業種。そういうビジネスを今後とも展開していく以上、それに応じた経済的な負担を避けるわけにはいかない」
 ヤマダ電機の温暖化対策はまだ緒に就いたばかり。今後さらなる施策を企画し、実践する計画である。



注1)RITEA評価CO2排出量削減効果値(第C-004〈06~07号〉)を使用。
注2)国内で製造・輸入・販売される電気製品を電気用品安全法に基づいて検査し、安全基準を満たしているものにつけられるマーク。
注3)風力、太陽光、小規模水力などの再生可能エネルギーを中心とし、これに火力、原子力、水力などの電力を組み合わせて電力会社が販売する電力のこと。

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【写真】
①ヤマダ電機全店で新品買い換え時などに、買い取りを積極推進している
②全国から買い取った家電はシー・アイ・シーの藤岡リサイクルセンター(群馬県)に集められる
③電気用品安全法に基づくPSE検査を実施し、まずは安全性を厳重にチェック
④安全性が確認された家電は、機能チェックの後、徹底的に分析・洗浄(写真はジェットドラム洗浄機による洗濯槽の洗浄)
⑤再組み立て後に最終審査を終え、整然と揃えられて出荷を待つリユース家電
⑥リユース家電を中心に販売するヤマダ電機グループの「再楽館」

 

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