ヤマダ・ビジネス・ネットワーク/U・コミュニティホテル(東大阪市) 「顧客視点の行動」で地場ホテルの魅力創造

YAMADA BUISNESS NETWORK
U・コミュニティホテル(東大阪市)

http://www.u-community.co.jp


「顧客視点での行動」に徹し
地場ホテルならではの魅力を創造



U・コミュニティホテルは近鉄・河内小阪駅から約2分という好立地。地上11階建てで客室数は252室だ。
難波駅からも電車で15分ほどという利便性を活かし、手頃な価格や独自のサービスで多くの顧客から支持を集めている。



 

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  「U・コミュニティホテルさんは、大切なお得意様であり、個人的にはビジネスを学ぶ場でもある」。
 こう語るのはヤマダ電機法人営業部大阪営業所の新村昭彦所長だ。大阪営業所は、地下鉄千日前線「野田阪神」駅そばのテックランド大阪野田店内にある。場所柄、中小企業などの顧客が多く、U・コミュニティホテルもそうした顧客企業の1社だ。

 ビジネスホテル業界は今、大手チェーンを中心に競争が過熱している。そうした中、地場資本のU・コミュニティホテルが、いかに戦っているのか。菅原正雄社長は「まだまだ力不足」と謙遜しつつも「顧客視点での行動が重要」と話す。

 菅原社長はかつて持ち帰り弁当大手の企業で役員を務めていた。U・コミュニティホテルに転じたのは04年2月のこと。同ホテルのオーナーと懇意だったことから経営を任され、翌05年、社長に就任した。業績は右肩下がりを続けており、菅原社長には経営再建が求められた。

  「当時、社内の雰囲気が暗かった。皆、目の前の仕事をこなすだけで精一杯。活気がなかった」と菅原社長。そこで真っ先に手を付けたのが「社員の意識改革」だ。U・コミュニティホテルは自分たちの会社だということを従業員に認識させる。その一環として「頑張った結果が、報酬や地位として還元される仕組み作り」に着手したのである。

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 例えば年功序列型だった人事制度を職能資格制度(職務遂行能力を基準とした人事制度)に改めたり、一律だったボーナス評価を、人事考課査定と絡めたものにするなど。
 人事制度改革のポイントを菅原社長は「個々の評価の違いが、きちんと説明できること。そして、どこを改善すれば評価が高まるのかを、従業員が理解できる公平な仕組みにすること」だという。

 さらには「会社は株主だけでなく、従業員のものでもあるという私の考え方を、根気よく理解してもらうことが重要」と話す。当初は反発の声もあったが、「最近、ようやく定着してきた」と話している。

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上:「顧客視点での行動」に徹したサービスで人気のU・コミュニティホテル
下:ロビーを癒やし空間にする42V型プラズマテレビ



インターネットを有効活用

 人事制度改革と共に着手したのが、集客対策だ。特にホテル業では①告知、②接客、③設備が重要だという。
 まず①の告知だが、販促予算をそれほど持たない同ホテルにとっては、インターネットの有効活用が不可欠だった。ネット予約は当初、微々たる件数だったが、直近では40%にまで高まってきている。
 ネット予約を強化するに当たり、まずはヒット率の高い予約代行サイトへ魅力ある条件を提示し、取り扱いを強化してもらった。並行して、自社ホームページを検索エンジンで上位に提示されるように工夫した。
 さらにホームページの表現では、いかに短い文章でホテルの魅力を伝えるかを試行錯誤するなど「考えられる手はすべて打った」という。
 

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 最近では、予約代行サイトの「宿泊者評価欄」で高得点が増え、これが新規客やリピーターの増加につながっている。これは②の接客力を高めたことも大きい。接客について菅原社長は「ホテル視点ではなく、お客様視点で行動すること」を重視するが、これを全従業員に徹底するのは簡単ではない。

 そこで菅原社長は毎朝7時に出社。深夜番と早番との引き継ぎミーティングに欠かさず出席してこの課題を克服した。そこでは前夜起こったことが次の担当者に引き継がれる。その際、対応の仕方や、引き継いだ人がどう対応すべきかなどを、従業員と一緒に考えるのだ。客観的なアドバイスを続けることで、従業員も徐々に臨機応変な対応が可能になってきた。その積み重ねが、予約サイトでの高評価につながったという。

 菅原社長は「ホテル業の難しい点は接客力をアップしても、その効果が集客として現れるまでに半年以上かかること。それまで辛抱強く続けていくしかない」と話す。

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防犯監視効率を高める42V型液晶モニター



大型モニターで防犯体制強化

 ③設備の充実もホテルにとって重要だ。ここではヤマダ電機大阪営業所も側面支援を行なっている。きっかけは客室冷蔵庫の入れ替えだった。
 当初、従業員からは「ホテル仕様の冷蔵庫を専門業者から導入すべき」との意見も出た。ホテル仕様は騒音対策などに優れるが、50Lタイプで4万〜5万円はする。同サイズの一般用は1万円もしないだけに、252室分となると投資額の差は莫大だ。

 そこで大阪営業所の新村所長は低騒音で使いやすい一般用を4モデル選び、ホテル仕様と比較してもらった。菅原社長やスタッフが両冷蔵庫を設置した部屋に宿泊し、使い勝手を体験。その結果、一般用で問題がないことを確認し、全室導入に踏み切ったのである。
 また、1階ロビーには42V型プラズマテレビを設置している。これは環境映像を流して癒やし空間を演出したり、緊急情報等を流すもの。当初の要望は壁掛けだったが、柱が大理石のために断念。代わりに新村所長は、ロビーの雰囲気を損なわないスタンドを探し出して提案した。

 会議室の映像システムも同様だ。32型液晶テレビとビデオデッキで構成するが、納入時の条件は「3つある会議室のどこにでも安全かつ手軽に移動でき、安定感があること」。新村所長は「目的に応じた最適のスタンドを迅速提案できたことが、評価いただけたと思う」と話す。
 さらには事務所内に、防犯監視用の42V型液晶モニターを納入している。これは館内に設置した16台の防犯カメラ映像を、16分割して一括再生するもの。それまでは4台の小型モニターに切り替えて映し出していたため、使い勝手が悪かったのだ。

 菅原社長は「一度に全フロアの映像が見られるようになり、監視効率が大幅にアップ。さらに安心して、宿泊いただけるようになった」とその効果を話す。現在は館内の防犯カメラについて、新型への切り替えを新村所長と相談中である。
 このように設備拡充に向け、側面支援に徹する新村所長。だが、菅原社長は常にヤマダ電機へ発注しているわけではない。「仕入れは常に相見積もりを取り、その時々の条件で決めるべき」との考えを持つからだ。

 新村所長も心得ており「条件面で遅れは取れない。その上で、どう使われるかを念頭にした商品提案を心掛けている」と話す。ある種の緊張感を持つ関係が、結果として両社の結びつきを強固にしたといえそうだ。
  「ホテルのサービスにゴールはない」という菅原社長は、日々、大手チェーンにはない独自の魅力を模索し続けている。し続けている。
 

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左:「ホテルのサービスにゴールはない」と語る菅原正雄社長
右:迅速対応を心掛ける大阪営業所の新村昭彦所長