デジタルカメラ 「撮影モード」を使いこなせ!

デジタルカメラ
スポーツ、ポートレート、夜景、クローズアップ、etc.


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デジタルカメラの
「撮影モード」を
使いこなせ!



デジタルカメラに搭載された「撮影モード」——どれほど活用しているだろうか。
これを理解すれば、簡単にもっといい写真が撮れるようになる。
デジタル一眼レフの撮影モードを中心に、その機能と活用ポイントを解説しよう。
今日から、写真のレベルがアップすること間違いなし!?




 本来、写真上達のためには露出を理解することが欠かせない。撮影シーンに合わせて最適な露出コントロールを行なうことで、表現力の豊かな写真になるからだ。
 だが、エントリーユーザーにとっては、これがなかなか難しい。そこでデジタルカメラ(以下デジカメ)に搭載されている便利な機能が「撮影モード」である。ただ残念なことに、様々なモードが搭載されていながら、基本的な「AUTO(オート)」しか使っていないユーザーが多く見受けられる。

 たとえ露出コントロールがよく分からなくとも、撮影モードを活用すればシーンに最適な露出で、しかもデジカメなら銀塩(フイルムカメラ)と違い、色合いの調整までしてくれる。つまり、簡単に今よりもワンランク上の写真が撮れるようになるわけだ。さらに撮影モードを使っているうちに、露出についての理解も深まる。
 これほどの機能を積極的に活用しない手はない。早速、詳細を見ていくことにしよう。

 



シーンプログラムと露出モード

 撮影モードとは、露出決定や画像の仕上がりなどの撮影スタイルを選ぶ機能のこと。デジカメ本体の上部にあるモードダイヤルや、液晶メニュー画面からの操作方法が一般的だ。大きくは、①シーンプログラムモードと②露出モードの2つに分けられる。
 簡単にワンランク上の写真を撮るために活用できる機能がシーンプログラムモードだ。そして、ユーザーが自分で露出設定をコントロール可能なのが露出モードである。それぞれ詳しく解説していこう。

 ①のシーンプログラムモードとは、様々な撮影シーンに合わせて最適な露出や画像処理を、デジカメ側が自動設定してくれるもの。風景や人物など撮りたい被写体に合わせたモードを選びシャッターを押すだけで、イメージに最適な写真が簡単に撮れることが一番のメリットである。

 具体的なメニューは、「AUTO」「ポートレート」「風景」「夜景」「クローズアップ」「スポーツ」などが標準的だ。これらはデジタル一眼レフやコンパクトを問わず、ほぼすべての機種に搭載されている。さらに、コンパクトや一部のデジタル一眼レフには、「ペット」「食べ物」「オークション」「名刺や書類」「証明写真」など特殊メニューが追加されており、露出モードを含めると30種類を超える撮影モードを備えている機種もある。

 今回は、多くのデジカメ搭載の標準メニューを例に、機能の仕組みや活用ポイントを解説する。
 まず、「AUTO」は文字通り全自動モードで、どんなシーンでもすべてをデジカメまかせで撮影することができる。露出はもちろん、ISO感度やホワイトバランス、画像の処理設定に至るまで自動設定してくれる。
 撮影シーンがどのモードに適しているか判断できないケースや、スナップ写真などはAUTOを選択しておけば安心だ。

 だが、ある程度慣れてきたら積極的に他のプログラムモードを使ってみてほしい。特に利用する機会が多いのは「ポートレート」だろう。
 このモードは、背景をぼかして人物がくっきりと浮かび上がるような写真を撮ることができる。この効果をさらにアップさせるには、望遠レンズを使うこと。コンパクトタイプなら光学ズームを望遠側にすればいい。あるいは人物と背景との距離を遠くするという方法もある。

 背景がぼける理由は、露出設定において絞り(F値)が開くため、ピントの合う範囲が狭くなるからだ(露出については、②の露出モードで詳述)。このため、ポートレートモードを使う時はピントに気をつけたい。基本は人物の目に合わせること。
 画像処理は、人物の肌が引き立つような色調整となる。

 

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露出の意味を再確認!

 露出とは簡単にいうと、「撮像素子に取り込む光量」のこと。「シャッタースピード」と「絞り(F値)」の組み合わせで、この光量調整を行なう。具体的には、シャッタースピードが撮像素子に光を当てる時間を、絞りがレンズを通過する光の量をコントロールする。
 シャッタースピードが速ければ光量は減り、遅いと増える。絞りはやや複雑で数値が大きいと光量が少なくなり、数値が小さいと増える。撮影する場合、まず基準となる「適正露出」が存在する。下表の「シャッタースピード60分の1秒、絞り5.6」を適正露出としてみよう。

 シャッタースピードと絞りは相関関係にある。シャッタースピードを125分の1秒へと速くし光量を減らした場合、絞りの値を4に開き光量を増やすことで同じ適正露出となる。ただし、写真の描写は変わってくる。絞りを開いたため、ピントの合う範囲が狭くなるからだ。広い意味では、この描写感の調整も含めて露出コントロールという。

 また、シャッタースピードを60分の1のまま絞りを4に変更すると、適正露出よりも取り込む光量が増える。これを露出オーバーという。逆に絞りを8にすると、その分だけ光量が減り、露出アンダーとなる。絞りを基準にシャッタースピードを変更しても同じことだ。

 よく、露出補正という言葉を耳にすると思うが、このように露出をいじることを露出補正という。下表の数値変化の単位は1段といい、「60分の1、5.6」から「60分の1、4」へ変更することを「+1.0段補正」、「60分の1、5.6」から「60分の1、8」へ変更することを「−1.0段補正」と呼ぶ。
 最も基本的でありながら、露出は奥が深い。興味があれば、デジタルカメラの専門書などを読んでみてほしい。

 

シャッタースピードと絞りの関係
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鮮やか描写の「風景」&「夜景」

 「風景」モードは、手前から遠くまでピントの合った奥行きのあるシャープな撮影が可能だ。広角レンズを使うと、さらに奥行き感が増す。ズームレンズなら、広角側に合わせて使いたい。色合いは緑や青の発色を強調して調整されるモデルが多く、鮮やかな写真となる。
 一般的な風景はもちろん、景勝地などを背景に人物を入れた記念写真を撮りたい場合などにも適している。
 注意点は、天候など撮影条件によってシャッタースピードが遅くなること。ピントの合う範囲を広くするために、絞りを絞ることが理由だ。手ブレに気をつけよう。できれば三脚などを使って撮影することを勧めるが、難しい場合はデジカメをしっかりと固定したい。

 風景と同じカテゴリーとして、「夜景」モードがある。これは、夜景の雰囲気を美しく表現するように露出や色調整を設定してくれるものだ。
 内蔵ストロボは未発光となり、シャッタースピードが極度に遅くなる。三脚の利用が欠かせない。三脚がない場合でも手持ち撮影は難しいので、台の上に置くなど工夫が必要である。
 シャッタースピードが遅くなるほど、画像にノイズが交じってザラつきが生じる。ある程度は、画像処理の段階で抑えてくれるが、1秒を超えるシャッタースピードになる場合、搭載されていれば「ノイズリダクション機能」をオンにしたい。

 夜景モードは、夕景などの撮影にも活用可能。コンパクトでは、夜景とは別に夕景モードを搭載する機種もあるので、それを活用しよう。
 また、夜景モードに関連して「夜景&人物」を別メニューとして登載する機種も増えている。このモードは、夜景と人物の両被写体をきれいに描写できる。
 基本的な露出設定などは夜景モードと同じだが、人物を美しく描写するため内蔵ストロボが発光される。これをスローシンクロという。夜景モード同様にシャッタースピードは遅い設定なので、やはり三脚は必要だ。
 人物に当たっている光が比較的明るく、夜景の雰囲気を出したいといったケースでは、内蔵ストロボの設定を未発光に変更可能な機種もある。

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上の夜景はデジタル一眼レフの「プログラムモード」で撮影。被写体となる夜景の光量が少なく、「夜景」モードで撮影してもあまり変化が見られなかったの で、露出モードの「マニュアル」で撮影したのが下の写真だ。絞りはプログラムと同じ設定で、シャッタースピードを10秒と長めの露出とした。2つの写真か ら雰囲気の違いを理解してほしい。使用機材:ニコンD70Sレンズキット(本体D70S/レンズAF-S DXズームニッコールED 18~70mm F3.5~F4.5G)

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迫力満点の「クローズアップ」


 「クローズアップ」モードは小さな被写体、例えば花や昆虫などを撮影するシーンで活用する。被写体の強調したい1点のみにピントが合い、前後はぼけた迫力のある写真が撮れる。ディテールを描写できるので、ホームページに載せる商品撮影にも最適だ。
 デジタル一眼レフで本格的にクローズアップ撮影を楽しむには、マクロレンズを用意したい。コンパクトタイプでは、光学ズームを望遠側に設定することで迫力のある写真が撮れる。

 露出設定は絞りが開き、ピントの範囲がポートレートモード以上に狭くなるので慎重に合わせたい。被写体に近づくため光量が不足する場合も多く、スローシャッター気味に設定される傾向がある。三脚を使うか、なければ地面に肘をついて確実にデジカメを固定するなどして撮影しよう。
 前述の夜景やクローズアップなどスローシャッターで三脚を使っている場合でも、エントリーユーザーはシャッターボタンを押す振動で写真がブレてしまうケースが多い。これを防ぐツールとして、リモートコード(レリーズ)を利用したい。

 また、最近は手ブレ補正機能を搭載した機種が増えており、それを活用する手もある。
 動きの速い被写体の撮影に活躍するのが、「スポーツ」モードだ。被写体の瞬間の動きを切り取った躍動感のある写真が撮れる。
 露出設定は被写体の動きを止めるため高速シャッターに、絞りは開き気味となる。ただ、高感度に設定されるため、晴天の屋外などではそれ程ピントを気にする必要もない。オートフォーカスモードは常に被写体を追い続けてピントを合わせてくれるメニューに自動設定されるので、フォーカスエリア(ファインダー内のピント合わせのポイント)で被写体を追いかけることに集中しよう。
 

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 ドライブモード(撮影動作)は高速連続撮影となるので、シャッターボタンを押したままにすると、連続でシャッターを切ることができる。デジカメの利点を生かし、積極的にシャッターを切ろう。不要な写真は後で消去すればいい。

 スポーツモードはスポーツ以外にも運動会、予測不可能な動きをする小さな子供やペットといった撮影に活用できる。最近は「子供」や「ペット」モードを搭載する機種も増加。デジタル一眼レフでも、子供モードを備えるエントリーモデルがラインアップされている。

 ここまで見てきたように、撮影シーンに応じてプログラムモードを選択するだけで、簡単に最適設定で写真が撮れる。そして、このモードを活用する時に表示される露出データを気にかけてほしい。「この状況では、こんな露出になるんだ」ということが少しずつ理解できるようになる。写真上達の最初のステップとして、まずはシーンプログラムモードを積極的に使ってみよう。

[ 写真 ]
デジタル一眼レフの撮影モード操作は本体上部に搭載されたモードダイヤルから行なうのが一般的。この写真は、クローズアップモードで撮影したものだ

 



露出モードは応用編


 シーンプログラムモードは簡単に撮影できる一方で、基本的にユーザーが露出をコントロールすることはできない。「何となく露出が分かってきた」「少し自分で露出をいじってみたい」といった場合には、②の露出モードを活用しよう。
 露出モードとは、露出以外にも様々な撮影メニューをユーザーが自由に設定/変更できる機能だ。「プログラムオート」「シャッター優先オート」「絞り優先オート」「マニュアル」などが標準的なメニューといえる。
 ここで露出について、確認しておこう。露出とは、撮像素子に取り込む光量のこと。具体的には、カメラのシャッタースピードと絞りの組み合わせにより、最適な露出を決定する操作を露出コントロールという(詳細は囲み参照)。

 ユーザーがこの組み合わせを決定する操作を支援してくれる機能が、露出モードなのである。
 最もベーシックなメニューが、「プログラムオート」だ。シャッタースピードと絞りの組み合わせは、基本的にデジカメが設定してくれる。シーンプログラムのAUTOと同じように見えるが、ATUOは露出の設定変更ができないのに対して、プログラムオートは変更できる点で異なる。
 また、内蔵ストロボの発光設定も任意となる。AUTOモードでは頻繁にポップアップするストロボだが、このメニューにしておけばわずらわしさから解放される。外部ストロボを利用するケースでは、プログラムオートを選ぶことを勧める。

  「シャッター優先オート」は、ユーザーがシャッタースピードを任意で設定すると、絞りをデジカメが自動的に設定してくれるメニューだ。
 動きの速い被写体の瞬間をとらえたい時は高速シャッター、流動感ある川の流れなどを表現したい場合には低速シャッターに設定するといった使い方ができる。シーンプログラムのスポーツモードなどからの応用として活用できるメニューである。

 このシャッター優先とは逆パターンが、「絞り優先オート」。絞りを設定すると、デジカメ側がシャッタースピードを自動で決めてくれる。
 例えば、ポートレートモードで十分な背景のぼけが得られない場合、絞り優先で開放値(装着レンズで最も小さいF値)に設定して、より人物を浮き上がらせるといったことが可能だ。
 シャッター優先と絞り優先を使いこなせるようになると、表現の幅が広がる。ぜひ、チャレンジしてほしい。

 そして、すべてをユーザーが設定するメニューが、「マニュアル」だ。シャッタースピードや絞りはもちろん、ISO感度などユーザーはデジカメ搭載の全メニューを自由にフル設定できる。
 同じ被写体でも絞りやシャッタースピードにより、雰囲気が違った作品となる。そこに写真撮影の楽しみがあるといえる。シーンプログラムから露出モードへ——撮影モードは撮影スキルを間違いなくステップアップさせてくれるはずだ。

 

 

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