サイゼリヤ~「企業理念」で差別化する外食サバイバル時代の優等生

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企業研究--サイゼリヤ

「企業理念」で
差別化する
外食サバイバル時代の優等生


 厳しい競争が続く外食産業。その中にあって毎年、着実に増収を続けている企業がある。イタリアンレストランチェーンのサイゼリヤだ。本格的なイタリア料理の低価格販売で知られる。創業は73年。現在は売上高746億円(05年8月期)、九州・四国を除く全国に748店舗(同)を展開するまでに成長した。

 サイゼリヤでは、ピザは300円台、スパゲティは200円台から選べ、グラスワインは1杯100円から用意されている。21世紀初頭、外食産業では低価格競争が話題になったが、サイゼリヤはこのはるか以前から低価格販売の仕組みを構築し、消費者の高い支持を得てきた。
 これは同社が企業理念を「日本を真に豊かな国にするお手伝いをしたい」としているからだ。そして本当の食の豊かさとは「日々の暮らしの中で手軽な値段で好きな料理を楽しめること」だとする。

 つまり、企業間競争としての低価格戦略ではなく、手頃な価格で豊かな食事を提供することが「創業以来のミッションであり経営理念」ということだ。正垣泰彦社長は「理念が最大の差別化になる」と語っているが、そのことは価格の上げ下げを繰り返しながら、業績に一喜一憂している大手外食チェーンを見ても明らかといえそうだ。

 


経常利益率は6%超


 サイゼリヤの、こうした理念に基づく低価格戦略は経営指標にもしっかりと現れている。図1を見ても明らかなように、同社の原価率は主要ファミリーレストラン5社の中ではトップである。材料費が高いということで、つまりは高いものを仕入れているわけである。

 しかも、特筆すべきは、高く仕入れて安く売りながら、経常利益率は5社中のトップであること(図2)。高く仕入れて安く売れば、一般的には利益が削られるが、これでは企業を持続させることは難しい。
 一方、利益を高めながらの低価格販売であれば、消費者にとっては低価格であっても、その企業にとっては通常価格でしかない。それどころか正垣社長は「当社の価格はまだまだ高い。もっと高品質なイタリア料理を低価格で売れる仕組みを構築しており、より多くの人に豊かな食事を提供する」と話している。

 なぜ、高く買い安く売って、利益率を高められるのか。これについては次章で、本誌に連載中の税理士・井上一生氏に「サイゼリヤ会計学」としてまとめてもらった。井上氏は正垣社長と古くから交流を持ち、自らも経営者として「正垣社長の一番弟子」を自負。「サイゼリヤには三つの必勝方程式がある」という。

■図 レストランチェーン主要5社の売上原価率比較と経常利益率比較

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※1)サイゼリヤは05年8月期、すかいらーく、ロイヤルホールディングス、ジョナサンは05年12月期、デニーズジャパンは05年2月期
※2)ジョナサンは決算公告より、それ以外は有価証券報告書より抜粋
※3)ジョナサン、デニーズジャパンは単独、それ以外は連結

 

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