デジカメをもっと使いこなす~高感度・手ブレ・ピント・撮影モード・ゴミ対策
「高感度」「手ブレ」「ピント」「撮影モード」「ゴミ対策」
デジカメをもっと使いこなす
5大キーワード
徹底解説!
「高感度」「手ブレ補正」「ダストリダクション」——最近、こうした単語を店頭やカタログなどで見聞きすることが増えたのではないだろうか。先進テクノロジーによりデジカメの性能は、飛躍的にアップしている。高画質や操作性を追及する中で開発されたこれらの機能を理解することは、写真の上達につながるはずだ。最新機能キーワードとして、①高感度、②手ブレ補正、③フォーカシング(ピント合わせ)、④撮影モード、⑤ゴミ対策——この5つに注目。その機能と活用ポイントなどを、デジタル一眼レフを中心に基礎から徹底解説しよう。
■キーワード№1「高感度」
「感度」とは、デジカメが感じ取ることのできる光量のことで、ISO400やISO800と表されているもの。数値が大きいほど、暗所でも明るい写真の撮影が可能となる。
最近のデジカメでは、高感度化が進んでおり、デジタル一眼/コンパクトともISO1600相当まで対応する機種が増えている。デジタル一眼ではペンタックスの「K100D」、コンパクトタイプではカシオ計算機の「Z1000」や富士フイルムの「F30」といった機種のようにISO3200対応の超高感度モデルも登場している。
高感度のメリットは、「被写体/手ブレの防止」と「ノンフラッシュ撮影」だ。この理由を解説する前に、デジカメの原理を確認しておこう。レンズを通して入ってくる光を撮像素子に当て、電気信号に変換。信号は画像処理されてメディアに記録されるというのが基本的な仕組み。この時、取り込まれる光量が多ければ明るい写真、少ないと暗い写真となる。
基本的に、光量はシャッタースピードと絞り(F値)によりコントロールされる。当然、暗所ではシャッタースピードを遅くしないと十分な光量を得ることができない。この結果、被写体の動きがシャッタースピードよりも速くなると被写体がブレ、手持ち撮影の限界を超えれば手ブレが生じることになる。
こうしたブレを露出だけでコントロールしきれない場合、ISOの設定をあげてやる。つまり、感度アップすることで、撮像素子が感じ取れる光量を増やすわけだ。被写体や撮影シーンごとのISO感度変更は、フイルムカメラでは不可能なこと。デジタルならではの大きな特徴である。
では、高感度を活用した「被写体ブレ/手ブレ防止」のポイントを見てみよう。基本的にISO感度は100/200/400/800/1600というように倍々になっており(*1)、感度を1つアップさせると、シャッタースピードを1段ほど速くすることができる(絞りが一定の場合)。
例えば、ISO100でシャッタースピードが30分の1なら、ISO200で同60分の1、ISO400で同125分の1といった具合だ。ISO3200対応モデルなら、1000分の1秒という高速シャッターを切ることも可能だ(*2)。このように、光量が不足するシーンであっても感度をアップすることで、被写体ブレや手ブレを防止できるというわけである。
「ノンフラッシュ撮影」とは、ストロボを発光させることなく、室内撮影などで見たままに近い自然な雰囲気を描写したり、フラッシュ撮影が禁止されている場所などで使うテクニックだ。スローシャッターを切るのが基本的な撮影テクニックで、本来は三脚が必須。だが、常に持ち歩いているわけではなく、コンパクトデジカメでは三脚などほとんど使わないだろう。
そんな時に役立つのが高感度だ。感度設定を上げることで、手ブレを起こさないシャッタースピードを使い、背景までしっかりと写すことができる。
ただし、感度が高くなるほどノイズが生じて画像が粗くなる点には、留意したい。最近はノイズを低減できる技術も進み、高感度設定時の画質もかなり向上している。それでもノイズが気になるなら、感度を下げればいい。撮影シーンや被写体などに応じて、うまく感度設定を使い分けたいものだ。
とはいえ、「感度を使いこなすのは難しい」なら、コンパクトデジカメやデジタル一眼のエントリー向けモデルには、感度のオート設定機能を持った機種が多い。例えば、パナソニックの「インテリジェントISO感度コントロール」のように、被写体の動きや撮影シーンに応じて感度を自動調整してくれる機能を搭載したモデルもある。高感度のみならず、それを効果的に使える機能を搭載した機種をチェックすることも1つの手だろう。
(*1)デジタル一眼レフなど、機種によってはISO250/320/500/640といったように中間値が設定されており、細かいコントロールが可能なモデルもある
(*2)フイルムカメラの場合の理論値であり、デジタルカメラでは機種ごとの特性や撮影環境などにより左右される
■キーワード№2「手ブレ補正」
ブレによるミスを防ぐため、高感度とともに注目されている機能が「手ブレ補正」だ。文字通りシャッターを押した際、カメラが動いてボケた写真になるのを防ぐための機能である。
初心者に限らず、撮影で最も多い失敗が手ブレといわれている。デジタル時代になり、写真を大きく印刷することが簡単になり、少しのブレでも目立つようになった。また、光学10倍ズームクラスのコンパクトが増え、デジタル一眼でも望遠撮影の機会が多くなっている。ズームや望遠撮影では少しの振動でも手ブレにつながる。こうした背景を考えると、手ブレ補正は必須の機能ともいえるだろう。コンパクトで先行したが、最近はデジタル一眼でも搭載機が増加している。
手ブレ補正には「光学式」や「電子式」(*3)などメーカーによって方式が異なるが、いずれであっても確実に手ブレは軽減されるので、デジタル一眼/コンパクトとも効果について方式にこだわる必要はない。だが、使い勝手の面で、特にデジタル一眼レフの場合は違いが見られる。
デジタル一眼に採用されている手ブレ補正機構は、「光学式」がメインだ。さらに光学式は、「ボディ内方式」と「レンズ内方式」に分けられる。前者を搭載しているのはペンタックスの「K100D」やソニーの「α100」など。後者の方式はニコンやパナソニックが採用している。
ボディ内方式は、カメラ内の撮像素子を駆動させて手ブレを補正する方式だ。メリットは装着可能なすべてのレンズで補正機能を使えること。デメリットは、撮影画像を見るまで手ブレが補正されたかどうかを確認できないことである。
一方、レンズ内方式は、レンズを構成するレンズ群の1枚を駆動させることで、手ブレを補正する方式だ。メリットには、撮影中にファインダーで手ブレ補正の効果を確認できることや、レンズに最適な補正機構を実現できることなどがある。デメリットは、この機能を搭載したレンズでしか手ブレ補正を行なえない点である。
前述したように、補正効果の点では遜色はない。それぞれの特徴を理解して、自分の撮影スタイルに合った方式を選択するべきだろう。
(*3)撮影後などにカメラが写真の手ブレを自動検出して、画像加工的なやり方で補正する方式
■キーワード№3「フォーカシング(ピント)」
フォーカシングとは、ピントを合わせること。写真を“撮る”という視点で見れば、重要な機能だ。デジタル一眼では「AFシステム」「ファインダー倍率/視野率」「電子ビュー方式」、コンパクトでは「顔検出」を解説する。
まず、デジタル一眼のAFシステムは多機能化が進んでいる。例えば、ファインダーをのぞいてピント合わせを行なうフォーカスエリアが増加。ニコン「D80」やペンタックス「K100D」などは、11点測距AFシステムを搭載している。メーカー各社とも、複数のフォーカスエリアを駆使した多彩なAF機能により、様々な撮影シーンで高速・的確なフォーカシングを実現している。中央のフォーカスエリアでピントを合わせるだけでは宝の持ち腐れ。こうした機能も使いこなしたい。
「ファインダー倍率/視野率」もフォーカシングでは重要なポイント。以前は、「デジカメの光学ファインダーは小さくて見にくい」と不満の声があがっており、被写体をとらえにくくマニュアルフォーカスによるピント合わせなども難しかった。
だが、最近はファインダー倍率が上がり、見やすさが大幅にアップしている。ファインダー倍率とは、肉眼で見た場合の被写体がファインダー内ではどのくらいで見えるかという大きさの比率を表したものだ。例えば、ニコン「D80」のファインダー倍率は約0.94倍と、かなり肉眼に近いサイズで被写体を見ることができる。
また、視野率とはファインダーを覗いた時に見える画像の範囲と、実際に撮像素子に記録される範囲の比を表したもの。視野率が100%なら、見たままが記録される。だが、例えば90%になると、実際にはファインダー内で見た画像よりも10%ほど広い範囲が記録されることになる。
デジタル一眼では構造上、光学ファインダーを使って撮影する。だが、コンパクトと同じように液晶モニターを使った撮影も可能な「電子ビュー方式」を搭載したモデルがある。オリンパス「E-330」とパナソニック「L1」が電子ビュー方式を採用している。
そのメリットは、光学ファインダーを使う方法に加えて、コンパクトと同じ操作で撮影できること。特にE-330は上下に可動式で、ロー/ハイアングルからの撮影に適している。また、電子ビュー方式ならではの機能も実現されている。最初に構図を決めカメラを固定したまま、液晶モニター上でフォーカシングしたい部分にフォーカスエリアを移動。さらに、そのピントを合わせたいポイントを10倍に拡大できるので、精密なフォーカシングが可能となる。商品や接写など正確なピント合わせが必要な撮影に威力を発揮する機能である。
一方、注目のフォーカシング機能として、「顔検出」があり、主にコンパクトに採用されている。カメラを人物に向けてシャッターボタン押すと、液晶モニター上にある顔を自動検出して、フォーカシングから露出設定まで行なってくれる便利な機能である。
液晶モニター内のフォーカスエリアを顔に合わせ、フォーカスロックをした状態で構図を決めるといった手間が不要。最初に構図を決めてシャッターを切ればよく、表情の撮り逃しや中抜け(*4)防止につながる。「写真撮影の主な被写体は、8割以上が人物」という調査結果もあるだけに、顔検出は注目しておきたい機能だ。
現在、数社から搭載モデルが発売されており、富士写真フイルム「FinePix S6000(顔キレイナビ)」、ニコン「フェイスクリア(顔認識AF)」(*5)、ペンタックス「顔認識AF&AE」などがある。
(*4)被写体が2人の時など、人物の間を抜けて背景にフォーカシングしてしまい人物がピンぼけした状態
(*5)フェイスクリアは「顔自動認識AF」「赤目軽減」「自動補正」の3機能。顔検出という意味では、特に顔自動認識AFのことをいう
■キーワード№4「撮影モード」
デジカメには、撮影シーンに合わせて最適な露出や画像処理を自動設定してくれる様々な「撮影モード」が搭載されている。完全カメラ任せの「プログラムモード」しか使っていないユーザーが多いが、撮影モードを活用することで、ワンランク上の写真を撮ることが可能だ。特に、様々な撮影シーンで使う機会の多いコンパクトは、多彩なモードを備えている。
例えば、カシオ計算機の「EXILIM Z1000」。37種類もの撮影モードを揃えた「ベストショット機能」を搭載している。「風景と人物」「子供」「緑を鮮やかに」「紅葉」「逆光」などのメニューが、サンプル画像とともに表示され、そこから選択するだけでプログラムモードよりも撮影シーンに最適な写真を撮ることが可能。テキストだけのメニューと異なり、実際のサンプル画像を参考にできるので、使いやすさの点でも進化している。
「人物」「風景」「スポーツ」といった基本メニューはほぼすべての機種に搭載されている。「水中」「オークション」「美術館」などの特殊モードを搭載しているモデルもあり、目的や好みに合った撮影モードを搭載した機種を選ぶといいだろう。Z1000のように、「文字」「名刺や書類」「ホワイトボード」といった撮影モードを搭載しているモデルなら、ビジネスにも役立つはずだ。
一方、デジタル一眼では、オリンパスの「E-330」のように31種類の撮影モードを搭載したモデルもあるが、撮影者の思いを反映した作品づくりに主眼が置かれているため、色調整などの機能が搭載されている。例えば、キヤノンの「ピクチャースタイル」やニコンの「仕上がり設定」など。ネガやポジ、モノクロといったフイルムを選ぶような感覚で、色調を設定できる機能である。エントリー向けデジタル一眼モデルでは、これらの機能が使いやすく工夫されて搭載されている。
撮影モードの活用は、表現の幅や撮影の楽しさを確実に広げてくれる。ぜひ、積極的に活用してもらいたい機能の1つである。
■キーワード№5「撮像素子のゴミ対策」
デジタル一眼で、「ゴミ対策システム」は見逃せない機能といえる。そもそもゴミ対策を講じなければならない理由は、その構造にある。レンズ交換時にはボディ内部にゴミや埃が入り込み、シャッターの開閉などで摩擦粉が発生する。こうした異物が、ローパスフィルター(*6)や撮像素子に付着し、画質を劣化させてしまうからだ。
この対策として、メーカーは様々な機能を盛り込んでいる。例えば、キヤノンが「EOS Kiss Digital X」に搭載した「インテグレイテッドクリーニングシステム」、オリンパスの「ダストリダクションシステム」、ソニーの「アンチダスト」など。パナソニックも「L1」でオリンパスと同様のごみ除去システムを搭載している。
例えば、キヤノンのシステムは「発生の抑制」「付着の抑制」「除去」という3つの視点から対策されている。摩擦粉の出にくい機構・素材、ゴミや埃が付着する原因となる静電気の起こりにくい構造を採用するとともに、付着したゴミを超音波振動で払い落とすという仕組みだ。
ゴミ対策の元祖であるオリンパスのダストリダクションシステムは、毎秒約3万回の超音波振動でゴミを払い落とすというもの。起動ごとに自動的に作動し、落とされたゴミや埃は下部に設置された吸着部に固定される。
基本的にデジタル一眼では、ゴミや埃が付着する原因となる静電気を抑える帯電防止などの処理がなされている。ボディ内部のゴミをブロアーなどで吹き飛ばすなど、こまめにメンテナンスすればゴミや埃の付着は十分に防げるものだ。とはいえ、画質を劣化させ、場合によっては撮像素子の交換という事態になりかねないことを考えれば、特に初心者はごみ除去システムを搭載したモデルの選択を一考してみる価値はあるだろう。
デジタル一眼レフの醍醐味は、何といってもレンズ交換により、思い通りの作品づくりが可能なことだ。この意味で、デジタル一眼を使うなら、少しずつでもレンズを揃え、ゴミ除去システムを搭載したモデルで撮影シーンの幅を広げてほしい。
(*6)撮像素子の前に置かれるフィルターで、光の低周波成分だけを透過させる役割を果たす
写真の楽しみが広がる1000万画素
カシオ計算機の「EXILIM Z1000」
●画素数:約1010万
●液晶サイズ(画素数):2.8型(約23万画素)
●ISO感度:オート/50~400/800/3200
●ズーム:光学3倍/デジタル4倍
※詳細スペックを76ページに掲載
コンパクトタイプにもデジタル一眼レフの画素数に匹敵するモデルが出てきた。カシオ計算機の「EXILIM Z1000」もその1つだ。約1000万画素の同モデルなら、大きく引き伸ばしたり、トリミングしても高画質を保持できるので、撮影後の写真活用の幅が広がることは間違いない。小型ボディに高機能も満載だ。ISO3200に対応しており、被写体/手ブレを防ぐ「Anti Shake DSP」搭載。1秒間に最大3枚の連続フラッシュ撮影が可能で、37種類の撮影モードも備えている。2.8型液晶や約360枚の長寿命バッテリーなど、EXILIMの特長を継承しており、コンパクトユーザーはもちろんのこと、
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